「もしもし、○○さんですか?」

携帯から、人妻らしい、しとやかな声が
流れてきた。

この声の主と、

これからあんなことやこんなことを・・・

と思わず想像してしまう。

「はい。今、改札を出たところです。」

「では、そちらに向かいますね。」

他人の奥さんと、これから・・・。

そう思うと、なにやらいけないことをして
いるような気分になってきた。

だが、それが余計に私の心を興奮させて
いるのも事実。

『不倫』という響きを、よりいっそう甘美な
ものに感じる。

そしてそれは、今私の目の前にあるのだ・・・。

「腕、組んでもいいですか」

「えっ・・・。ど、どうぞ」

彼女の方からそう言われ、私は少し戸惑ってしまった。

細い腕が、そっと絡みついてくる。

「主人とは、こんなこと絶対にしないんですよ・・・。」

少し寂しそうに彼女が言う。

だが、私は彼女の中に何かが熱くたぎっているのを
感じ取っていた。

「喉、渇かない?何か飲もうか」

部屋に入り、一息ついて、私はそう彼女を誘った。

「いいんですか?」
「ああ、なんでもいいよ。好きなもの飲んじゃって。」

時間はまだたっぷりある。焦ることはない。
少し飲みながら、じっくりとこの時を楽しむとしよう・・・。

ビールで乾杯。
そのまま、彼女とたわいもない会話をする。
彼女が甘えるように寄りかかってきたので、自然に私は彼女の肩を抱く形になった。

細く、それでいて柔らかく、そして、火照った彼女の身体・・・

やがて、彼女の顔がほんのりと赤味を帯びてきた。

そのことをからかうと、彼女は照れたように言った。

「私、あんまり強くないんです・・・」

「そっか。じゃあ・・・」

そろそろシャワーに・・・。

暗黙のうちに二人の意識が一致した。

流れるようにバスルームへ。

彼女の色白の肌がまぶしかった。

「そんなに見られたら、恥ずかしい・・・」

よほど私が熱い視線を投げかけていたのだろう。
照れたように彼女が微笑した。

細いしなやかな指が私の身体を撫でる。
肩から胸、腹からさらにその下へと・・・。

私の欲望が頭をもたげ始めた・・・